京都府立大学大学院生命環境科学研究科動物機能学研究室の岩﨑有作(教授)、大林健人(博士)を中心とする研究グループは、希少糖D-アルロースの新しい作用とその作用機序を、マウスを用いた実験により明らかにしました。
発表のポイント
・甘くてカロリーゼロの希少糖D-アルロース(1)が腸ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)(2)の分泌を促進し、全身のインスリン感受性を高めることで、少ないインスリン(3)でも効率よく高血糖を改善できることを明らかにしました。
・この作用には、腸と脳をつなぐ迷走感覚神経(内臓感覚神経の1種)の活性化が必須であり、腸ホルモンGLP-1と膵ホルモンであるインスリンが、血中で同時に高まることが重要でした。これはまさに食後の状態であり、食後高血糖を抑える生理的な仕組みの一端を示す成果です。
・本研究で明らかになった「腸−神経−代謝」連関は、インスリン抵抗性の改善を介した2型糖尿病の新たな予防・治療戦略の基盤となることが期待されます。
発見の概要図

本研究成果は、米国糖尿病学会が刊行する糖尿病・代謝研究分野を代表する国際学術誌「Diabetes」に掲載されます。先行して、2026年5月1日13時(日本時間)にオンライン掲載されました。
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論文情報
論文名:Gut-derived GLP-1 released by rare sugar D-allulose cooperates with insulin to activate left-sided vagal afferents and enhance insulin sensitivity (希少糖 D-アルロースによる腸由来 GLP-1 放出は、インスリンと協働して左側の迷走感覚神経を活性化することで、インスリン感受性を増強する)
著者:大林健人、谷田守、安部力、石原寛隆、小見渉、窪田直人、Daniel J Drucker、矢田俊彦、岩﨑有作†(†代表著者)
雑誌名:Diabetes, 号数とページは後日決定, (2026)