農学生命科学科

卒業生の声

農学生命を卒業した方々から、皆さんに向けてのメッセージです

中村保乃華   2022年度   農林水産省 植物防疫所

私は学部3回生後期から修士課程修了まで、イネの病原細菌である白葉枯病菌の病原性遺伝子の発現制御機構について研究をしていました。現在は農林水産省の植物防疫所で、輸入された植物の検疫業務に携わっています(写真は広報活動業務に参加したときのものです)。

学生時代を振り返ると、農学に関連した様々な講義から、研究室での研究活動まで、常に知識や経験を得られる充実した環境であったと感じます。特に研究活動を通じて、実験技術やより専門的な知識はもちろん、論理的に物事を考える力や、文章を書く力、プレゼンテーション力など、社会に出た後にも必要となる力を身に付けることができたと思っています。

大学ならではの、貴重な体験をたくさんできる学科です。様々なことに挑戦して、悔いのない学生生活を過ごしてください。

植物病理学  2020年度学部卒業、2022年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)

 

山本 有紗 2024年度 ロート製薬株式会社 入社

私は学生時代、主に細胞を使って、筋肉が小さくなる「筋萎縮」を抑制する食品・植物由来化合物を探索していました。現在は、ロート製薬株式会社に研究開発職で入社し、研修期間中です。

大学生活を振り返ると、とても有意義で多くの学びがあった6年間でした。私は研究室で、細胞培養や化合物添加の技術を身に付けられただけでなく、学会などを通して、発表力、説明力も養うことができました。大学で身に付けた力は就職活動、会社でたくさん活かすことができています。

皆さん、大学受験や就職活動において、夢や目標、希望、不安など様々な想いがあるかと思います。それらすべて、今後の人生に活きるときが来ると私は思います。何事も前向きに、いろんなことに挑戦してみてください!

分子栄養学研究室 2021年度学部卒業、2023年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)

 

清水天幸  2022年度   国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 入構

私は、摂食に関連するペプチドホルモンの、求心性迷走神経を介した摂食・代謝調節作用とその中枢機構の研究をしていました。メインの研究テーマに関連する実験だけでなく、研究室で日々行われている様々な実験を経験する機会をいただいたことで、多くの知識と経験を得ることができました。加えて、研究の準備や結果報告、学会発表など、研究生活で身についた多様な力は、現在の業務遂行に大変役立っています。

自身が興味ある学術的なテーマの探求に挑戦できることは、非常に得難い経験です。大学という研究活動が可能な環境を十分に生かし、アカデミアにおける研究の一端をぜひ経験いただきたいと思います。

動物機能学 2019年度学部卒業、2021年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)

 

轟悠   2022年度     UCC上島珈琲株式会社  入社

私は学部、大学院ともに金時ニンジンについての研究を行っていました。金時ニンジンの持つ機能性成分であるリコピンを高蓄積するニンジン品種の作出のために3年間ニンジンと向き合っていました。研究を通じて専門的な知識だけではなく、物事を筋道立てて考える力や、いかに分かりやすく伝えるかという力も身に付けることが出来たと考えています。私の研究は産官学連携の研究課題であったため、生産現場を見据えた品種育成に関わるという貴重な経験も出来ました。これらの知識と経験は今の自分を形成する大事な土台となっています。
現在はUCC上島珈琲株式会社の新入社員として研修中で、いずれは商品の製造に関わる仕事を行う予定です(写真は研修中の1枚です)。研究室で得た考え方を持ちながら生産現場で働くことで自分の業務の幅を広げられると考えています。  このページをご覧になっている高校生の皆さんは、おそらくそれぞれの学びたいこと、叶えたいことがあると思います。ぜひこの大学でそれらを具体化し、様々な経験を積んで下さい。そうすれば自分の将来の選択肢が広がっていくのではないかと思います。
 
細胞工学 2019年度学部卒業、2021年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)
 
 

中谷暢克  2022年度 サントリーフラワーズ株式会社 入社

私は、植物の形質転換系の改良に向けたタンパク質高発現ベクター利用技術の開発の研究をしていました。研究は、うまくいかないことの連続で大変かもしれませんが、自分自身で考えてその壁を乗り越えられたときの達成感はとても大きいものだと思います。また、研究を進めていくことで、知識や技術だけでなく、学会などでプレゼンテーションする機会も多いため、人にわかりやすく論理的に伝える力が身につきました。学生生活では今しかできない経験が多くあります。失敗を恐れず、さまざまなことに挑戦してみてください。

植物育種学  2019年度学部卒業、2021年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)

 

向江 和輝 2022年度 シミック株式会社 入社

私は、次世代シーケンサーから得られたゲノム情報を用いてシロイヌナズナの進化の研究をしておりました。研究活動から、実験や情報解析技術はもちろんのこと、物事を論理的に考える力や、人に分かりやすく伝える力を身につけることができました。本学で学んだ知識や経験は、今後あらゆる状況で活かせると思います。皆さんも日々の研究に打ち込んでください!
 
植物ゲノム情報学研究室  2019年度学部卒業、2021年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)
 

坂本侑津希 2021年度 亀岡市教育委員会

私の卒業研究は、食後に誘発される熱産生について研究をしました。卒業後は、中学校教員として子どもたちに理科の魅力を伝えています。大学の4年間で得た知識や実験の技術、研究室で学んだ統計や資料のまとめ方などは、授業をする時だけでなく、公務の仕事にも活かされています。たくさんの分野について学ぶことができる学科であるからこそ、自らの知識の幅が広がり、現在の中学校での学びをより深くすることができています。教員仲間が増えると良いなと思います!

動物機能学 2019年度 学部卒業

 

 

中井 志帆 2021年度 小野薬品工業株式会社 入社

 
卒業研究ではマウスや細胞を使って、骨格筋における代謝や遺伝子発現制御メカニズムの解析をしていました。
就職先の小野薬品工業では、研究所で新薬の創製に取り組んでいます。研究は大変なこともありますが、日々、充実しています。
 
分子栄養学研究室 2018年度学部卒業、2020年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)
 
 
 

山内りお 2021年度 徳島県(農業技術職)

卒業研究では、梅の香気成分分析などの果実調査や遺伝解析に取り組みました。また研究室では受粉作業や野菜の栽培も多く経験でき、圃場を存分に使って農業についてもたくさん学びました。 今は徳島県の農業技術職として就職し、野菜や果樹の生産者の方に技術指導をしたり、新しい栽培方法を模索するための土壌分析なども行っています。
 
研究室で学んだ実験・農業の基礎は、分析の際や生産者の方と話す時にも役立っており、研究室での日々を思い出しながら過ごす毎日です。
今後も人とのつながりを大切にしながら自分の知識を膨らませ、より多くの人に農業の魅力を伝えられる職員を目指していきたいです。
 
果樹園芸学 2020年度学部卒業
 
 
 

宮脇 潤 2020年度 京都府教育委員会

私は、学部、大学院でトマトやダイショなどを研究材料とし、野菜の高収量、高品質、安定生産を実現するための栽培技術の開発、さらにその普及に努めることを目標に研究を行っていました。

現在は、高校農業科の教員として、野菜や花卉の栽培方法や育種方法について指導しています。また、植物バイオテクノロジーの技術等を利用し、種の保存や新品種の開発、それらを効率よく大量増殖する方法や栽培方法に関する研究について生徒と一緒に取り組んでいます。

農業は様々なことがつながって成り立っており、高校で指導する範囲も幅広いです。在学中では、農学の幅広い専門知識を身に付けると同時に、物事を幅広い視野で捉えることの大切さについて学べましたが、指導を行う上でこの経験が生きています。研究をしていると、いくつも壁にうち当たりうまくいかないことがありますが、そのおかげで別のさらに興味深いテーマに出会うこともできます。ぜひ幅広い視点で物事をとらえて、何事にも果敢に取り組んでください。

野菜花卉園芸学研究室 2017年度学部卒業、2019年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)

 

大橋 惠一郎 2018年度 株式会社サカタのタネ 入社

学部、大学院ともにアサガオの変異体の花について、開花の物理的メカニズムの解明とその原因遺伝子の特定に関する研究をしていました。研究に大事な理論的な考え方や伝え方を学ぶことができました。それだけではなく、農作業が実際にできたり、他大学や海外の学生との交流ができたり、教員と一緒に高校生や小学生に実験を教えたりと、様々な世界と触れ合えることができました。教員と交流しやすい本学では、こうしたイベントに触れるチャンスがとても多いと思います。

就職すると多かれ少なかれ「積極的になって」と言われることがあるのですが、学生時代に上記のような機会に挑戦することで度胸がついた気がします。学生時代にしかできないことも沢山あると思います。ぜひいろんなことに挑戦してみてください。

細胞工学研究室 2015年度学部卒業、2017年度大学院修了(応用生命科学専攻 博士前期課程)
 
 

下司友仁香    2018年度    白鶴酒造株式会社  入社

大学では、栽培条件を変えた米(食用米、酒米)のタンパク質を解析していました。卒業後は白鶴酒造に入社し、現在は研究室で新商品の酒質開発などに携わっています。

研究室生活では、日々実験に取り組むだけでなく、清酒業界の方々との交流も経験させていただきました。その時に得た知識や人脈は、今も私にとって大切な財産です。

大学と連携した商品を出す酒蔵は全国でどんどん増えてきています。現在、農学生命科学科の先生方が中心となって、大学コラボお酒の普及活動をされておられます。農生は植物や動物などの研究のイメージが強いと思いますが、お酒業界に興味がある方も、貴重な経験がたくさんできる学科だと思います。

遺伝子工学研究室 2017年度学部卒業
 
 

三石 帆波 2012年度 大日本除虫菊株式会社 入社

卒業研究では、天敵昆虫(捕食性アザミウマ)の大量飼育・保存技術の開発に取り組みました。 その後、今日までの10年間、大日本除虫菊株式会社(キンチョー)の研究所で殺虫剤の開発をしています。殺虫剤の効力評価には膨大な数の昆虫の系統維持と品質管理が不可欠です。大学で学んだ考え方、様々な技術と知識・経験は、現在の研究活動や商品開発にもいきています。 応用昆虫学研究室 2011年度学部卒業

 

 

京都府立大についての感想など

 
  • 卒業年度:2018年度(学部)
  • 業種:商社
  • 職種:総合職
  1. 府大で楽しかったこと: 学年ごとの実験と、三回生の農業実習です。 実験では、動物系から植物系まで、多岐の項目を、4名ずつの班で取り組みました。幅広い実験から、興味がある分野を判断できること、仲間との親睦を深めることができたことがとても有意義な授業でした。また、農業実習では、季節ごとに作物を育てたり、機械を操作したり、実践的な実務を学ぶことができました。
  2. 府大を選んでよかったこと: 規模が少ないこともあり、同学年はもちろん、教授や他学部の方とも深い交流ができることです。特に卒業論文の時期は、研究室全体で、自分の研究進捗にご意見をいただけます。普段から面識が多い分、手厚いフォロー、ご指導を受けることができます。また、部活動では他大学との交流戦もあり、広い人脈作りも可能です。
  3. 府大で学べたこと(特に就職活動や社会で役に立ったこと): 私は植物育種を学んでいましたが、全く違う業界を職場に選択しました。しかし、植物に関する知識があることで、面接の話題作りに生かすことができました。例えば、青いバラの話は、どんな方も興味を持ってくださります。社会に出て、一番思うことは、府大のブランド力の高さです。いま関東にいますが、名前の認知度は高く、歴代先輩達の活躍に感謝しています。

 

  • 卒業年度:2015年度(大学院前期課程)
  • 業種:教育・研究
  • 職種:教職
  1. 府大で楽しかったこと: 精華農場での実習では普段体験できないような農業体験ができ,知識を得たというよりも体験できたというのが非常に楽しかったです。
  2. 府大を選んでよかったこと: 人数が少なかったので,研究方法や実験技術などを先生や先輩が親身に教えてくださることが多かったこと。
  3. 府大で学べたこと(特に就職活動や社会で役に立ったこと): 自分の知りたい思う分野で研究したという経験も人生の中で役に立つかと思いますが,講義を受講する中で多様な研究の進歩を知れたことも多いに役に立っていると思います。

 

  • 卒業年度:2017年度(学部)
  • 業種:公務員
  • 職種:農業職
  1. 府大で楽しかったこと:研究室でのグループワークを通じて先生や友人と仲良くなれたこと。また農場で、実際に作物を育てる経験ができたことです。
  2. 府大を選んでよかったこと: 北山の静かな環境の中で、学ぶことができたこと。実験設備が整っていたこと。また隣接の植物園に自由に出入りでき、キャンパスの様に利用できたことです。
  3. 府大で学べたこと(特に就職活動や社会で役に立ったこと): 研究室での日々の実験や報告会でのディスカッション、また学会参加を通じて、より深い専門知識を身に付けると同時に、物事を幅広い視野で捉えることの大切さについて学べました。

 

  • 卒業年度:2017年度(大学院前期課程)
  • 業種:製造業(化学)
  • 職種:研究開発
  1. 府大で楽しかったこと: 研究室で自分の専門について深めていけたことです。未知の課題に取り組む面白さに触れたことは、卒業後に大学院へ進学し、研究開発職に就く契機となりました。
  2. 府大を選んでよかったこと: 学部時代の授業から研究室の構成に至るまで良い意味でコンパクトなところです。先生方とも大勢の中の一人ではなく、近い距離で対話出来るような環境だと思います。
  3. 府大で学べたこと(特に就職活動や社会で役に立ったこと): 部活動、研究ともに全力でやり切った経験です。学生時代に沢山失敗しながらも、好きなことに精一杯向き合った経験は一生の財産です。