令和8年(2026)年5月29日(金)に京都府立大学・歴彩館大ホール(京都市左京区)において開催された「日本農芸化学会関西支部 第540回講演会」において、動物機能学研究室所属の大学院修士課程の河邉実咲さんが「優秀発表賞(支部長推薦)」を受賞しました。尚、選考講演は4題であり、その中から1名が受賞しました。
受賞者:河邉 実咲(かわべ みさき)、生命環境科学研究科動物機能学研究室 修士1回生
受賞内容:優秀発表賞(支部長推薦)
受賞題目:「食用油が摂食行動に与える効果の比較とその作用機序の解析」
受賞年月日:2026年5月29日(金)
(参考)
学会HP:https://kansai.jsbba.or.jp/
大会HP:https://kansai.jsbba.or.jp/presentation/presentation2026/2026_540.html
本学の中尾淳教授、矢内純太教授らの研究グループの学術論文が、Wiley社が発行する国際学術誌「Soil Science Society of America Journal(SSSAJ)」においてTop Viewed Articleに選出されました。
本賞は、2024年に同誌に掲載された論文のうち、掲載後12か月間の閲覧数が上位10%に入った論文に授与されるものです。
なお、本論文は筆頭著者である黒川耕平氏の博士研究の一部として実施されたものであり、同氏は本学にて2024年3月に博士(農学)を取得後、現在は英国ジェームズハットン研究所において日本学術振興会海外特別研究員として研究に従事しています。
本研究は、土壌中の鉱物組成評価に広く用いられるX線粉末回折法の信頼性を体系的に検証したものであり、土壌資源管理や肥料評価における基盤的手法の高度化に貢献するものです。
受賞者
農学食科学部 農学生命科学科 教授 中尾 淳
農学食科学部 農学生命科学科 教授 矢内純太
内容
SSSAJに掲載された研究成果(Examination of the reliability of X‐ray powder diffraction analysis to determine mineral composition of soils, doi.org/10.1002/saj2.20757)が、同誌の年間閲覧数の上位(トップ10%)に選出された。
論文タイトル
Examination of the reliability of X‐ray powder diffraction analysis to determine mineral composition of soils (Soil Science Society of America Journal, Vol. 88, No. 6, 1942-1958, 2024)
著者(*責任著者)
Kohei Kurokawa, Kazuki Azuma, Atsushi Nakao*, Atsuhito Suzuki, Shokichi Wakabayashi, Shigeto Fujimura, Takuro Shinano, Junta Yanai
受賞日
2026年5月15日
関連リンク
https://www.soilkpu.com/(京都府立大学土壌学研究室HP)

Wiley Top Viewed Article
京都府立大学大学院生命環境科学研究科動物機能学研究室の岩﨑有作(教授)、大林健人(博士)を中心とする研究グループは、希少糖D-アルロースの新しい作用とその作用機序を、マウスを用いた実験により明らかにしました。
発表のポイント
・甘くてカロリーゼロの希少糖D-アルロース(1)が腸ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)(2)の分泌を促進し、全身のインスリン感受性を高めることで、少ないインスリン(3)でも効率よく高血糖を改善できることを明らかにしました。
・この作用には、腸と脳をつなぐ迷走感覚神経(内臓感覚神経の1種)の活性化が必須であり、腸ホルモンGLP-1と膵ホルモンであるインスリンが、血中で同時に高まることが重要でした。これはまさに食後の状態であり、食後高血糖を抑える生理的な仕組みの一端を示す成果です。
・本研究で明らかになった「腸−神経−代謝」連関は、インスリン抵抗性の改善を介した2型糖尿病の新たな予防・治療戦略の基盤となることが期待されます。
発見の概要図

本研究成果は、米国糖尿病学会が刊行する糖尿病・代謝研究分野を代表する国際学術誌「Diabetes」に掲載されます。先行して、2026年5月1日13時(日本時間)にオンライン掲載されました。
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論文情報
論文名:Gut-derived GLP-1 released by rare sugar D-allulose cooperates with insulin to activate left-sided vagal afferents and enhance insulin sensitivity (希少糖 D-アルロースによる腸由来 GLP-1 放出は、インスリンと協働して左側の迷走感覚神経を活性化することで、インスリン感受性を増強する)
著者:大林健人、谷田守、安部力、石原寛隆、小見渉、窪田直人、Daniel J Drucker、矢田俊彦、岩﨑有作†(†代表著者)
雑誌名:Diabetes, 号数とページは後日決定, (2026)
京都府立大学大学院生命環境科学研究科動物機能学研究室の岩﨑有作(教授)、増田雄太(特任助教)、川瀬みゆき(大学院生)、そして、金沢医科大学生理学Ⅱの谷田守(准教授)を中心とする研究グループは、食後に分泌される消化管ホルモンCCK(コレシストキニン)の体熱産生作用と腸・脳・褐色脂肪組織連関を介した作用機序を明らかにしました。
発表のポイント
現代社会において増加する肥満や生活習慣病は、深刻な課題となっています。これらの解決の1つに、エネルギー代謝を亢進させることの重要性が挙げられます。食事には、栄養素の消化・吸収・代謝のための代謝上昇作用、すなわち、「食事誘発性熱産生(DIT)」が存在します。より効率的に DIT を高めることができれば、肥満や生活習慣病の対策につながります。
DIT が駆動する機序には、栄養素の消化・吸収・代謝に由来する作用以外の関与も示唆されています。食後には腸ホルモンのコレシストキニン(CCK)が分泌されます。この CCK が熱産生に関わることは知られていましたが、それがどのような生理学的な機序を経て熱産生を誘導しているのか、そのメカニズムは不明でした。
今回の発見は、私たちが日常的に経験する「食事による代謝亢進」の背後にある精密な制御機構の一端を明らかにしたものです。今後は、この体熱産生システムを効果的に刺激する食品成分や治療法を探索することで、健康寿命の延伸や生活習慣病の克服に寄与することが期待されます。
発見の概要図

本研究成果は、1878年創刊の生理学分野を代表する英国の権威ある学術雑誌「The Journal of Physiology」に掲載されます。まずは先行して、2026年5月13日10時(日本時間)にオンライン掲載されました。
プレスリリースはこちら
論文はこちら
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1113/JP290717
論文情報
論文名:Peripheral cholecystokinin promotes thermogenesis via vagal afferent signaling, hypothalamic oxytocin, and sympathetic outflow to brown adipose tissue (末梢性コレシストキニンは、迷走神経求心性シグナル伝達、視床下部オキシトシン、および褐色脂肪組織への交感神経出力を介して熱産生を促進する)
著者:増田雄太*、川瀬みゆき*、北野里佳、大林健人、和田(矢部)俊樹、井上啓、谷田守†、岩﨑有作†(*共同筆頭著者、†代表著者)
雑誌名:The Journal of Physiology, 号数とページは後日決定, (2026)
2026年5月15〜17日にサンポート高松(香川県高松市)で開催されました「第80回 日本栄養・食糧学会大会」において、動物機能学研究室の大学院生 北野里佳(博士後期課程2回生)がトピックス賞を、分子栄養学研究室の大学院生 金城柚花(博士前期課程2回生)が学生優秀発表賞を、分子栄養学研究室の大学院生 佐藤由顕(博士前期課程1回生)がトピックス賞を受賞しました。
なお、学生優秀発表賞は、応募者から10名が選ばれ、トピックス賞は25名が選ばれました。
学生優秀発表賞は、日本栄養・食糧学会を担うこととなる大学院生又は学部学生の優れた研究発表を奨励することを趣旨とし、優秀な発表に対して授与するものです。
トピックス賞は、日本栄養・食糧学会が今後より一層社会に貢献することを趣旨として、話題性や実用性の高い演題がトピックス演題として選定され、その研究概要が報道関係者にも紹介されました。
1. 受賞者
北野 里佳(きたの りか)
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 博士後期課程2回生
受賞内容
トピックス賞
研究課題
「ゼロカロリー甘味料の希少糖 D-Allulose がマウスの嗜好性、依存性、摂食行動に及ぼす影響の評価」
受賞年月日
令和8年(2026)年5月17日(日)
2. 受賞者
金城 柚花(きんじょう ゆずか)
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程2回生
受賞内容
学生優秀発表賞
研究課題
「DNAメチル化酵素(Dnmt3a)は骨格筋の運動・萎縮応答性及び回復能の低下を引き起こす」
受賞年月日
令和8年(2026)年5月17日(日)
3. 受賞者
佐藤 由顕(さとう よしあき)
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程1回生
受賞内容
トピックス賞
研究課題
「ビタミンDが発現制御する筋萎縮関連遺伝子の探索」
受賞年月日
令和8年(2026)年5月17日(日)
4 受賞年月日
令和8年(2026)年5月17日(日)
(参考)大会HP:https://www2.aeplan.co.jp/jsnfs2026/index.html
骨格筋のFoxO遺伝子が脂肪肝を調節する!
京都府立大学 農学食科学部 農学生命科学科 分子栄養学研究室の大藪葵講師と亀井康富教授を中心とする共同研究グループは、栄養欠乏時(飢餓時)の脂肪肝の発症に骨格筋が関与していることを明らかにし、この内容が国際学術誌「PNAS(米国科学アカデミー紀要)」に2026年4月8日付けにてオンライン掲載されました。
現在、世界の成人の約3人に1人が、肝臓に脂肪が蓄積する「脂肪肝」を患っています。脂肪肝が進行すると、脂肪肝炎を引き起こし、肝臓の線維化を経て、次第に肝硬変や肝がんに至ります。
そのため、脂肪肝の発症機序を理解することは重要な学術的課題です。これまで脂肪肝の病態発症には、肥満やフルクトースの過剰摂取などの過栄養が関連していると考えられてきましたが、最近では、過栄養とは対照的な過度の栄養失調やそれに伴う体重減少が、脂肪肝を悪化させる可能性も報告されています。
また、若い女性に多い極端なダイエットによっても脂肪肝が起きることが指摘されています。しかし、こうした脂肪肝の発症に、肝臓以外の臓器がどのように関与しているかはこれまで十分に解明されていませんでした。
今回、共同研究グループは、マウスを用いた実験から以下のことを明らかにしました。
これにより、骨格筋が肝臓の病態・生理に重要な役割を担っていることが示唆され、脂肪肝調節における複雑で巧妙な臓器間の連関機構の存在が示されました。
これらの成果は、飢餓適応における生体恒常性を調節する骨格筋FoxO遺伝子の重要な役割を明らかにするものです(概要図)。
【概要図】

★論文情報
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★大学HP
https://www.kpu.ac.jp/news/kenkyuuseika20260415/
★プレスリリース
閉経後の過剰な砂糖摂取は内臓肥満と2型糖尿病を増悪させることを発見!
そして、この予防に希少糖アルロースが有効!
平均して50歳前後で迎える閉経に伴う女性ホルモン:エストロゲンの低下は、内臓脂肪の蓄積を促進し、2型糖尿病の発症リスクを上昇させることが知られています。女性ホルモンの補充療法は一定の有効性を示す一方で、心血管疾患や乳がんなどのリスクが問題です。
近年、腸ホルモンGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)を基盤とした製剤が、新たな抗肥満薬・抗糖尿病薬として注目されています。一方、食品成分である希少糖のD-アルロースが、甘味を有してゼロカロリーであるにもかかわらず、GLP-1分泌促進作用を有します。しかし、D-アルロースの閉経後の有用性については検証されていませんでした。
この度、京都府立大学大学院生命環境科学研究科動物機能学研究室教授の岩﨑有作、博士大学院生の射場拳虎、関西電力医学研究所統合生理学研究センター長の矢田俊彦を中心とする研究グループは、閉経後モデルマウスとなる卵巣摘出の雌マウスを用いて、以下の事を明らかにしました。
50歳以降、2型糖尿病の罹患者数は増加し、特に女性では閉経に伴うエストロゲン低下がその一因と考えられています。本研究は、砂糖の継続的な摂取が閉経後の2型糖尿病リスクをさらに高める可能性を示しました。一方、同じ甘味をもつ希少糖 D-アルロース を活用することで、閉経後に生じやすい内臓肥満や2型糖尿病を予防・改善できる可能性が、動物実験から示されました。D-アルロースはすでに食品素材として市販されており、今後ヒトでの有効性が明らかになれば、甘さを我慢せずに健康を維持する新たな選択肢となることが期待されます。
本研究成果は、スイスの学術雑誌「International Journal of Molecular Sciences」に掲載され、2026年2月8日にオンラインで発表されました。
【概要図】

【論文情報】
論文名: GLP-1 Release by Rare Sugar D-Allulose Ameliorates Sucrose-Induced Obesity and Glucose Intolerance in Ovariectomized Mice
(希少糖D-アルロースによるGLP-1分泌は、卵巣摘出マウスにおけるショ糖誘発性肥満および耐糖能障害を改善する)
著者: Kengo Iba, Miharu Kyo, Hirotaka Ishihara, Aki Nagao, Misaki Kawabe, Kento Ohbayashi, Toshihiko Yada, and Yusaku Iwasaki*.(*代表著者)
射場拳虎、京美晴、石原寛隆、永尾亜希、河邉実咲、大林健人、矢田俊彦、岩﨑有作
雑誌名: International Journal of Molecular Sciences, 27, 1651 (2026)
https://www.mdpi.com/1422-0067/27/4/1651
【大学HP】
https://www.kpu.ac.jp/news/kenkyuuseika20251114-16972-72061-16666-84114/
【プレスリリース(研究概略の原稿)】
2026年1月10日(土)に東京大学 山上会館(東京都文京区)で開催されました「第35回バソプレシン・オキシトシン研究会」において、動物機能学研究室の特任助教 増田雄太がBest English Presentation賞を受賞しました。なお、本大会における選考対象講演は3題であり、その中から1名が受賞しました。
1 受賞者
増田 雄太(ますだ ゆうた)
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 動物機能学研究室 特任助教
2 受賞内容
第35回バソプレシン・オキシトシン研究会 Best English Presentation賞
3 研究課題
「視床下部室傍核バソプレシン神経による摂食行動における生理的意義の解析」
4 受賞年月日
2026(令和8年)年1月10日(土曜日)
(参考)
大会HP:https://www.avp.gr.jp/
令和7年11月26日(水)に京都府立医科大学(京都市上京区)で開催された「第15回 4大学連携研究フォーラム」のポスター発表(学生部門)において、本学生命環境科学研究科動物機能学研究室の大学院生1名が優秀賞を受賞しました。
尚、受賞については、事前に提出した要旨に加え、フォーラム当日に実施されたポスター発表を経た審査の結果で決定されました。本大会における選考演題は51題であり、そのうち優秀賞として4名、最優秀賞として1名が受賞しました。
記
1 受賞者
川瀬 みゆき(かわせ みゆき)
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程2回生
2 受賞内容
優秀賞
3 研究課題
「美味しい高脂肪食下では、既存の満腹神経:POMC神経が働かずに、過食・肥満となる」
4 受賞年月日
令和7年11月26日(水)
(参考)4大学連携研究フォーラムは、京都工芸繊維大学、京都薬科大学、京都府立医科大学及び京都府立大学の教員や研究者、学生等が一堂に会し、お互いの研究内容に関する情報交換等を実施することにより、共同研究等の学術交流を促進し、4大学の研究活動の活性化や研究基盤の強化に資することを目的に開催されている。
2025年11月13日(木)〜15日(土)に国立京都国際会館(京都府京都市)で開催されました「BPCNPNP2025合同年会(第47回日本生物学的精神医学会・第35回日本臨床精神神経薬理学会・第55回日本神経精神薬理学会 合同年会)」において、動物機能学研究室の大学院生 射場拳虎(博士後期課程2回生)が若手優秀発表賞を受賞しました。尚、若手優秀発表賞は、若手医師、大学院生、学生等の博士号未取得者を対象として授与される賞であり、本合同年会では一般演題(口演/ポスター)の全演題を対象に審査が行われ、特に優れた演題に優秀発表賞が授与されました。
1 受賞者
射場 拳虎(いば けんご)
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 博士後期課程2回生
2 受賞内容
BPCNPNP2025合同年会 若手優秀発表賞
3 研究課題
「オキシトシン感受性右側迷走感覚神経による抗不安・社会性向上作用」
4 受賞年月日
2025(令和7年)年11月14日(木曜日)
(参考)
BPCNPNP2025合同年会:https://www.aeplan.jp/bpcnpnp2025/index.html
日本生物学的精神医学会:https://www.jsbp.org/
日本臨床精神神経薬理学会:http://www.jscnp.org/
日本神経精神薬理学会:https://www.jsnp-org.jp/
若手優秀発表賞:https://www.aeplan.jp/bpcnpnp2025/document/award_01.pdf