2024年3月28日〜30日に福岡県北九州市で開催されました「第101回日本生理学会大会」において、動物機能学研究室の大学院生 大林健人(博士後期課程3回生)が第101回日本生理学会大会 Physiological Reports Poster Awardを受賞しました。
Physiological Reports Poster Awardは、英国生理学会と米国生理学会が共同で運営するJournal “Physiological Reports”主催の大学院生を対象とした賞です。本大会には計27演題が応募され、その中から6演題が最終候補として選出されました。選出された6演題は、英語でのポスター発表および質疑応答による審査を経て、最終的に2演題がPoster Awardに選出されました。
1 受賞者
大林 健人
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 博士後期課程3回生
2 受賞内容
第101回日本生理学会大会 Physiological Reports Poster Award
3 研究課題
「Intestinal GLP-1 and pancreatic insulin enhance insulin action through cooperative action at the common hepatic branch of vagal afferents」
(腸GLP-1と膵インスリンは求心性迷走神経共通肝臓枝への協働作用を介してインスリン作用を増強する)
4 受賞年月日
2024(令和6)年3月29日(金曜日)
(参考)
第101回日本生理学会大会 website
https://www2.aeplan.co.jp/psj2024/
第101回日本生理学会大会Physiological Reports Poster Award 募集要項
https://www2.aeplan.co.jp/psj2024/poster_award/
第101回日本生理学会大会 Physiological Reports Poster Award受賞者
https://www2.aeplan.co.jp/psj2024/pdf/pr_posteraward.pdf
Physiological Reportsの雑誌ホームページのAwardsの特集ページ
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/hub/journal/2051817x/awards
果樹園芸学研究室では、遠縁交雑(異なる種・属間での交雑)
今回私たちは、
新規に作出した雑種系統を用いて,
論文は以下のURLからご覧いただけます.
〜運動は転写共役因子PGC1αを介して神経筋接合部を改善する〜
令和6年1月31日
京都府立大学
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 分子栄養学研究室は、国立長寿医療研究センターの江口貴大 研究員や静岡県立大学の三浦進司 教授と共同研究を行い、運動が神経筋接合部の形成を改善するメカニズムを明らかにし、この内容が学術誌「Scientific Reports」(電子版)に2024年1月20日付けにて掲載されました。
運動神経終末と筋線維の間に形成される神経筋接合部は、筋収縮などの筋機能に重要です。神経筋接合部の形成悪化は、加齢に伴う筋量および筋力の低下 (サルコペニア) の初期に観察され、筋機能の低下をもたらすことが報告されています。また筋萎縮性側索硬化症(ALS)やデュシェンヌ型筋ジストロフィーといった神経筋疾患では神経筋接合部に障害が生じます。つまり、生活の質を維持し、健康寿命を延ばすためには、神経筋接合部の構造を維持する必要があります。また、運動は加齢による神経筋接合部の形成悪化を改善することが報告されています。分子栄養学研究室では、運動により筋肉で発現が増加する転写共役因子PGC1αに着目し、運動が神経筋接合部の形成を改善するメカニズムを明らかにすることを試みました。
本研究では、筋肉でPGC1αが欠損または過剰発現している遺伝子改変マウスの筋肉を用いて、遺伝子の発現解析を行いました。その結果、PGC1αが神経筋接合部の形成に必須であるDok-7という遺伝子の発現を制御していることがわかりました。さらに運動を行ったマウスやヒトの筋肉の解析も行いました。その結果においても、PGC1αの発現とDok-7の発現に正の相関があることがわかりました。
この研究より、加齢や神経筋疾患で悪くなる神経筋接合部を運動がどのようにして改善するのかを初めて明らかにしました。また、PGC1αは運動だけでなく、食品成分(大豆イソフラボンやレスベラトロール)によっても活性化されるため、食事による神経筋接合部の改善に繋がる手がかりとなる可能性があります。
DNA二本鎖の切断は活性酸素や放射線などによって生じ、そのままでは遺伝情報の消失や細胞死を引き起こすため、細胞内の修復機構によって絶えず修復されています。また一方で、品種改良の新たな技術として注目されているゲノム編集は、このDNAの切断と修復の反応を応用したものです。このようにDNAの切断・修復は非常に重要な現象ですが、そのメカニズムには、まだまだ未解明の部分が残されています。
植物ゲノム情報学研究室の川口晃平氏(博士課程)と佐藤講師は、弘前大学、摂南大学の研究グループとともに、シロイヌナズナのゲノム上の様々な位置でDNAの切断を一時的に引き起こす方法を開発し、DNAの切断が起こると、切断されたDNAの周辺のヒストンタンパク質に様々な変化が生じることを明らかにしました。ヒストンタンパク質は、遺伝子発現やDNAの複製といった多くのメカニズムにも関わっていることから、今後、DNAの切断・修復と染色体や遺伝子の制御との関わりについて、より解明が進むことが期待されます。
本研究成果は、国際学術誌「Plant and Cell Physiology」に掲載されました。
論文タイトル :
Inducible Expression of the Restriction Enzyme Uncovered Genome-Wide Distribution and Dynamic Behavior of Histones H4K16ac and H2A.Z at DNA Double-Strand Breaks in Arabidopsis
著者 :
Kohei Kawaguchi, Mei Kazama, Takayuki Hata, Mitsuhiro Matsuo, Junichi Obokata, Soichirou Satoh
リンク : https://doi.org/10.1093/pcp/pcad133
バラの交配調査に関する論文が、Plant Biotechnology誌で公開されました。
バラは、世界中で育てられている主要な花き作物として広く流通しています。
近年の遺伝子組換えやゲノム編集により、新しい形質をもつ品種が作出されてきていますが、野生への組換え遺伝子の流出等は常に問題となります。
栽培品種から野生種への遺伝子流出がどれくらいあり得るかを調べるために、まずは非組換えの栽培品種と、野生バラを密植して、訪花昆虫や交配の有無を調べました。その結果、密植状態では交配はじゅうぶん起こり得るが、胚のDNA抽出とPCR検査によって交配を確認できることが分かりました。
バラの商業的な側面を拡大しつつも、野生生態系への影響を確認し続ける技術として有用だと考えられます。
タイトル:Gene-flow investigation between garden and wild roses planted in close distance
著者:Yuna Asagoshi, Eri Hitomi, Noriko Nakamura, Seiji Takeda
リンク:Plant Biotechnology, 40 (4), 283-288
(細胞工学研究室 武田准教授)
本学生命環境科学研究科 動物機能学研究室の大学院生が、令和5年(2023)年11月21日(火)に京都工芸繊維大学(京都市左京区)で開催された「第13回 4大学連携研究フォーラム」のポスター発表:学生の部において、最優秀賞を受賞しましたので、下記のとおり報告いたします。
事前に提出した要旨に加え、フォーラム当日に実施されたポスター発表を経た審査の結果、受賞が決定されました。
なお、本大会における選考演題は57題であり、その中から1名が受賞しました。
記
1 受賞者
射場 拳虎(いば けんご、生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 博士前期課程2年)
2 受賞題目
「求心性迷走神経を介した末梢・中枢オキシトシン連関による抗不安・社会性向上作用」
3 受賞年月日
令和5年(2023)年11月21日(火)
(参考)4大学連携研究フォーラムは、京都工芸繊維大学、京都薬科大学、京都府立医科大学及び京都府立大学の教員や研究者、学生等が一堂に会し、お互いの研究内容に関する情報交換等を実施することにより、共同研究等の学術交流を促進し、4大学の研究活動の活性化や研究基盤の強化に資することを目的に開催されている。
2023年11月11日に(土)に大阪大学吹田キャンパス(大阪府吹田市)で開催されました「第115回近畿生理学談話会」(日本生理学会)」において、動物機能学研究室の特任助教 増田雄太が若手優秀発表賞を受賞しました。なお、本大会における若手奨励賞選考講演は24題であり、その中から6名が受賞しました。
1 受賞者
増田 雄太(ますだ ゆうた)
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 動物機能学研究室 特任助教
2 受賞内容
第115回近畿生理学談話会 若手優秀発表賞
3 研究課題
「右側求心性迷走神経を介した末梢-中枢オキシトシン連関と精神機能調節」
4 受賞年月日
2023(令和5年)年11月11日(土曜日)
(参考)
2023年11月11日に近畿大学農学部キャンパス(奈良県奈良市)で開催されました「第62回日本栄養・食糧学会大会 近畿支部大会(公益社団法人日本栄養・食糧学会主催)」において、動物機能学研究室の大学院生 射場拳虎(博士前期課程2回生)が若手奨励賞を受賞しました。なお、本大会における若手奨励賞選考講演は39題であり、その中から4名が受賞しました。
1 受賞者
射場 拳虎(いば けんご)
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 博士後期課程2回生
2 受賞内容
第62回日本栄養・食糧学会大会近畿支部大会 若手奨励賞
3 研究課題
「希少糖アルロースの腸ホルモンGLP-1と求心性迷走神経を介した抗不安・社会性向上作用」
4 受賞年月日
2023(令和5年)年11月11日(土曜日)
(参考)
2023年8月5日〜6日に東京都新宿区で開催されました「第32回日本病態生理学会大会」において、動物機能学研究室の大学院生 大林健人(博士後期課程2回生)が2023年度日本病態生理学会奨励賞を受賞しました。
日本病態生理学会奨励賞とは、顕著な研究業績を有するとともに、将来病態生理学会で活躍することが期待される若手研究者を奨励することを目的とした賞です。
1 受賞者
大林 健人
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 博士後期課程2回生
2 受賞内容
2023年度(令和5年)日本病態生理学会 奨励賞
3 研究課題
「腸 GLP-1 による高血糖改善作用とその作用機序の解明」
4 受賞年月日
2023(令和5年)年8月5日(土曜日)
(参考)
第32回日本病態生理学会大会 website
http://32nd-pathophysiology.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=39202
日本病態生理学会大会(奨励賞)
http://byoutaiseiri.kenkyuukai.jp/special/?id=2304
果樹園芸学研究室では、遠縁交雑(異なる種・属間での交雑)による新規果樹の作出に関する研究を進めています.このたび、リンゴとナシの属間交雑の成否に関する研究成果を英語論文に発表しました.効率的な雑種作出方法の開発だけでなく、多様な植物種が成立する鍵となった生殖隔離機構の解明に繋がることが期待されます.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0304423823005150
論文は以下のURLからご覧いただけます.
果樹園芸学研究室では、リンゴとナシの属間雑種を作出することに成功しており、異種ゲノムの良いとこ取りによる果樹育種を先導しています.興味のある方は研究室(森本)までお気軽にお問い合わせください.