農学生命科学科

研究成果 

2022.12.10 花卉生産における植物生育調節剤の利用技術についてとりまとめた総説を発表(野菜花卉園芸学研究室)

花屋さんの店先には、姿かたちの美しい切り花や鉢花が並んでいて、いつでも買うことができます。私たちは、それを当たり前のように思いがちですが、品質のよい花卉を、四季の気候変化が激しい条件下で需要に合わせて生産するためには、高度な栽培技術が要求されます。植物生育調節剤は、主に植物ホルモンの作用を利用した薬剤ですが、花卉の栽培技術の一環として広く用いられています。

 

野菜花卉園芸学研究室 西島隆明教授は、花卉生産における植物生育調節剤の利用技術の開発および実用化の現状と、その作用機構についてとりまとめた総説を発表しました。この総説は、今後、植物生育調節剤の利用技術、ひいては、計画的でロスが少ない花卉生産技術を開発するための基礎情報として役立つことが期待されます。

 

<論文情報>

Nishijima, T. 2023. Use of plant growth regulators for floriculture in Japan. Scientia Horticulturae 309: 111630.

https://doi.org/10.1016/j.scienta.2022.111630

2022.12.06 岩﨑有作教授(動物機能学)が日本肥満学会学術奨励賞を受賞

2022年12月2日〜3日に沖縄県那覇市で開催されました「第 43 回日本肥満学会/第 40 回日本肥満症治療学会学術集会」において、動物機能学研究室の岩﨑有作教授が2022年度日本肥満学会学術奨励賞を受賞しました。尚、日本肥満学会学術奨励賞とは、卓越した研究業績及び日本肥満学会での活動等が評価され、学術奨励賞選考委員会によって2名以下が選出されます。

 

1 受賞者

岩﨑 有作

京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 教授

 

2 受賞内容

2022年度(令和4年)日本肥満学会 学術奨励賞

 

3 研究課題 

 「食事—ホルモン—求心性迷走神経軸による摂食・代謝調節から肥満症改善へ」

 

  • 2022年12月2日に開催された第 43 回日本肥満学会/第 40 回日本肥満症治療学会学術集会(那覇文化芸術劇場なはーと)にて受賞。

 

(参考)第 43 回日本肥満学会/第 40 回日本肥満症治療学会学術集会 website  

https://jasso43-jsto40.com/program  

http://www.jasso.or.jp/contents/Introduction/commendation.html

 

 

 

2022.12.06 動物機能学研究室の大学院生が「ポスター発表 最優秀賞」を受賞

 本学生命環境科学研究科 動物機能学研究室の大学院生が、令和4年(2022)年11月29日(火)に京都府立大学で開催された「第12回 4大学連携研究フォーラム」のポスター発表:学生の部において、最優秀賞を受賞しました。

 事前に提出した要旨に加え、令和4年(2022)年11月29日(火)に実施されたポスター発表を経た審査の結果、受賞が決定されました。なお、本大会における選考演題は50題であり、その中から1名が受賞しました。

 

 

1 受賞者

大林 健人(生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 博士課程1年生)

 

2 受賞題目 

「腸ホルモンGLP-1と膵ホルモンインスリンの協同的な迷走神経肝臓枝求心路の活性化は全身イン スリン作用を増強させる」

 

3 受賞年月日

  令和4年(2022)年11月29日(火)

 

(参考)4大学連携研究フォーラムは、京都工芸繊維大学、京都薬科大学、京都府立医科大学及び京都府立大学の教員や研究者、学生等が一堂に会し、お互いの研究内容に関する情報交換等を実施することにより、共同研究等の学術交流を促進し、4大学の研究活動の活性化や研究基盤の強化に資することを目的に開催。

 

以上

2022.11.15 分子栄養学研究室の大学院生が、学会優秀ポスター賞を受賞

 本学生命環境科学研究科 分子栄養学研究室の大学院生が、令和4年(2022)年11月12日(土)~13日(日)に麻布大学百周年記念ホール(神奈川県相模原市)において開催された「日本アミノ酸学会 第16回学術大会」において優秀ポスター賞を受賞しました。

なお、本大会における優秀ポスター賞選考講演は30題であり、その中から4名が受賞しました。

 

 

1 受賞者

大藪(おおやぶ) 葵(まもる)(生命環境科学研究科 博士後期課程1回生)

 

2 受賞題目 

「飢餓時の「筋肝連関」を介した脂肪肝の調節機構の解析」

 

3 受賞年月日

  令和4年(2022)年11月13日(日)

 

 

(参考)学会HP:http://www.jsaas.org

大会HP:https://confit.atlas.jp/guide/event/jsaas2022/top

2022.11.09 宇治茶の被覆栽培のストレスを軽減する栽培法の開発

京都府特産の宇治茶の栽培では、茶摘み前に茶樹を遮光する被覆栽培という手法により、玉露やてん茶(抹茶の原料)などの高級茶を生産しています。しかし被覆栽培をした茶は、収穫時に被覆を外した際に、急激な強光にさらされてストレスを受けます。

遺伝子工学研究室 森田重人准教授と、本学生命分子化学科 佐野智講師は、京都府農林水産技術センター農林センター茶業研究所と共同で、チャの被覆栽培において被覆を外す前に光に馴化させることでチャのストレスを軽減できることを発見しました。

なお本研究は、京都府立大学地域貢献型特別研究(ACTR)の一環として行いました。

 

論文情報

タイトル:Alleviation of high light stress in shade-treated tea leaves by acclimation to light before shade removal.

(被覆栽培したチャの被覆解除前の馴化による強光ストレスの軽減)

 

著者:Shigeto Morita, Hiroki Yanagisawa, Kana Kurisu, Mitsuhiro Nagata, Tetsuyuki Takemoto, Takehiro Masumura, Satoshi Sano

https://doi.org/10.1093/bbb/zbac154

2022.10.26 亀井康富教授(分子栄養学研究室)が、第21回杉田玄白賞を受賞しました!

亀井康富教授(分子栄養学研究室)が、第21回杉田玄白賞を受賞しました。

 

「杉田玄白賞」は、小浜藩医であった杉田玄白先生の医学の進歩と日本近代文化の発展への貢献、ならびに晩年書き残した「養生七不可」にある医食同源の理念を受け継ぎ、小浜市が毎年「食」に関する進歩的な取り組み・研究の功績著顕な研究者を表彰するものです(小浜市HPより)。

 

受賞内容は以下の通りです。おめでとうございます!

 

【受賞者・受賞内容】

京都府立大学 分子栄養学研究室 

教授 亀井 康富(かめい やすとみ) 氏

受賞内容    

「栄養・代謝物シグナルと食品機能に関する研究 」

現代人にとって生活習慣病の肥満や筋萎縮(サルコペニア)は関心の高い課題である。応募者は、栄養・代謝物シグナルと食品機能に関して、脂溶性ビタミン受容体や転写調節因子の役割を動物・細胞実験で明らかにするとともに、筋萎縮の予防や代謝能を活発にする、食品中微量成分の探索系を確立した。研究は脂質がどのように腸管からシグナルを与え、代謝に影響しているかを臨床しており、今後の高齢化社会で重要な領域であること及び杉田玄白賞の理念との密接な関係性から高く評価されました。

 

杉田玄白賞HPより抜粋

 

 

 

 

2022.10.18 生命環境科学研究科(動物機能学研究室)大学院生の 「若手研究者奨励賞」の受賞について

本学生命環境科学研究科 動物機能学研究室の大学院生が、令和4年(2022)年10月15日(土)に滋賀県立大学で開催された第61回 日本栄養・食糧学会 近畿支部大会(公益社団法人日本栄養・食糧学会主催)において若手研究者奨励賞を受賞しましたので、下記のとおり報告いたします。

事前に提出した要旨に加え、令和4年(2022)年10月15日(土)に実施された若手研究者奨励賞選考講演、同審査会による質疑応答を経た審査の結果、受賞が決定されました。

 なお、本大会における若手研究者奨励賞選考演題は30題であり、その中から4名が受賞しました。

 

1 受賞者

能美 太一(生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 修士2年生)

 

2 受賞題目 

「食事性GABAによる食後求心性迷走神経活性化増強を介した満腹感増強作用」

 

3 受賞年月日

  令和4年(2022)年10月15日(土)

 

(参考)日本栄養・食糧学会は、栄養科学並びに食糧科学に関する学理及び応用の研究についての発表、知識の交換、情報の提供を行うことにより、栄養科学、食糧科学の進歩普及を図り、わが国における学術の発展と国民の健康増進に寄与することを目的に、1947年に設立。

学会HP:https://www.jsnfs.or.jp/

近畿支部HP:http://www.jsnfs-kinki.jp/

2022.10.18 生命環境科学研究科(分子栄養学研究室)大学院生の 「若手研究者奨励賞」の受賞について

本学生命環境科学研究科 分子栄養学研究室の大学院生が、令和4年(2022)年10月15日(土)に滋賀県立大学で開催された第61回 日本栄養・食糧学会 近畿支部大会(公益社団法人日本栄養・食糧学会主催)において若手研究者奨励賞を受賞しましたので、下記のとおり報告いたします。

事前に提出した要旨に加え、令和4年(2022)年10月15日(土)に実施された若手研究者奨励賞選考講演、同審査会による質疑応答を経た審査の結果、受賞が決定されました。

 なお、本大会における若手研究者奨励賞選考演題は30題であり、その中から4名が受賞しました。

 

1 受賞者

山本(やまもと) 有紗(ありさ)(生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 修士1年生)

 

2 受賞題目 

「転写因子FOXO1の活性抑制による筋萎縮抑制機能を持つ食品・植物由来化合物の探索とメカニズム解析」

 

3 受賞年月日

  令和4年(2022)年10月15日(土)

 

(参考)日本栄養・食糧学会は、栄養科学並びに食糧科学に関する学理及び応用の研究についての発表、知識の交換、情報の提供を行うことにより、栄養科学、食糧科学の進歩普及を図り、わが国における学術の発展と国民の健康増進に寄与することを目的に、1947年に設立。

学会HP:https://www.jsnfs.or.jp/

近畿支部HP:http://www.jsnfs-kinki.jp/

2022.10.03 新しい果樹の開発に繋がる育種基盤を整備(果樹園芸学研究室)

近年の気候変動によって,従来はみられなかった病虫害の発生や果実品質の低下が大きな問題となっています.異なる種を掛け合わせる育種方法(種間交雑)は遺伝的多様性を各段に向上させ,種を越えた形質のやり取りを可能にすることから,画期的な新品種を生み出す可能性を秘めています.種間雑種の作出のためには,交雑親和性(どの組み合わせで交雑が成立するか)の解明が重要です.

本学科の森本拓也講師(果樹園芸学研究室)と板井章浩教授(資源植物学研究室)らの研究チームは,リンゴやナシといった多くの果樹が含まれるバラ科リンゴ連を対象として網羅的な交雑試験を行うことで,雑種作出が可能な組み合わせを見出しました.現在は,実際に作出した雑種個体の特性を表現型だけでなく,ゲノム・トランスクリプトームの面から調査しており,本研究の成果は,新しい特性を持った新規果樹の作出の基盤情報となると期待されます. <論文情報>

Takuya Morimoto, Yunosuke Matsuda, Ryo Sekiguchi, Akihiro Itai (2023) Comprehensive Assessment of Intergeneric Cross-compatibility of Six Fruit Tree Species in the Tribe Maleae (Rosaceae) Based on in vivo Pollen Tube Growth and Field Pollination

https://www.jstage.jst.go.jp/article/hortj/advpub/0/advpub_UTD-383/_article/-char/ja

「花粉管伸長の観察および圃場での受粉試験にもとづく6種のバラ科リンゴ連果樹の属間交雑和合性の調査」

2022.08.19 花びらができる位置を決定する位置情報伝達システムを発見(細胞工学研究室)

京都府立大学、名古屋大学、京都産業大学、熊本大学の共同研究グループは、植物の花において、花びらができる位置を決定する位置情報伝達システムを発見しました。

 

花びら(花弁)は、がく片とがく片の間(がく片境界部)の少し内側にできますが、どのようなメカニズムで花弁ができる位置が決定しているかは不明でした。

 

本研究では、がく片境界部で働くPTL遺伝子に着目し、PTL遺伝子がUFO遺伝子の働きを介して花弁原基形成を担うことを示しました。

花器官の配置は、花粉を運ぶポリネーターにとって、また花のかたちの観賞価値を高めるために重要です。

 

本研究成果は、花弁の位置情報伝達システムを解明したことに加え、花の形を改変する技術につながる可能性があります。

 

プレスリリース原稿はこちら

 

 

【論文情報】

本研究成果は、国際学術誌「Development」に、令和4年8月11日に掲載されました。

論文タイトル:Non-cell-autonomous regulation of petal initiation in Arabidopsis thaliana.

著者:Seiji Takeda, Yuki Hamamura, Tomoaki Sakamoto, Seisuke Kimura, Mitsuhiro Aida, Tetsuya Higashiyama

doi.org/10.1242/dev.200684

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