2021.06.18植物細胞への遺伝子の導入効率を従来に比べて100倍以上向上させる実験方法を開発しました (植物ゲノム情報学研究室)
植物ゲノム情報学研究室 と 摂南大学の小保方教授
(ゲノム生物学研究室
) の共同研究の成果が植物細胞工学に関する専門誌
Plant Biotechnology に掲載されました。植物細胞への遺伝子導入は、植物の品種改良や遺伝子機能の解析を行う上で、非常に有用な手法の一つです。遺伝子導入効率の向上は、新たな品種の作成過程における作業の迅速化や、より多くの遺伝子の機能解明につながります。本研究では、アグロバクテリウムという細菌を用いて遺伝子導入を行う際に、シロイヌナズナの細胞を、通常使用するものよりもはるかに高い濃度の培養液
(栄養塩溶液
) で短時間培養することで、遺伝子の導入効率が著しく高くなる現象を発見しました。これにより、
1回の実験によって得られる形質転換カルス
(細胞塊
) の数が
100倍以上になります。
論文タイトル
: Preculture in an enriched nutrient medium greatly enhances the Agrobacterium-mediated transformation efficiency in Arabidopsis T87 cultured cells.
著者
: Takayuki Hata, Kazuki Mukae, Soichrou Satoh, Mitsuhiro Matsuo, Junichi Obokata.
プレスリリース原稿のリンク
(学外サイト
) : https://www.u-presscenter.jp/article/post-46058.html