2021.04.20遺伝子組換えによる「八重咲きのキク」の作出に成功しました(植物育種学研究室)
キクの雄ずいと心皮の形成を制御している2種類のクラスC遺伝子(CAG1, CAG2)の機能を遺伝子組換え技術を用いて同時に抑制することで、これらの器官が花弁に変化した「八重咲きのキク」の作出に世界で初めて成功しました。頭状花序を持つキクでは花弁のように見える舌状花(個々が一つの花)で退化して見えなくなっていた雄ずいが5枚の細い花弁になって露呈するため、一般的な八重の花とは異なる独特の華やかな印象を与えるようになりました。クラスC遺伝子の機能抑制による雄ずいや雌ずいの花弁化は花卉の不稔化技術としてもその利用が期待されています。
本研究は,農研機構・佐々木克友 博士らとの共同研究によるものです。論文は2021年4月13日に科学雑誌Plantaに掲載されました。
<論文情報>
Katsutomo Sasaki, Satoshi Yoshioka, Ryutaro Aida & Norihiro Ohtsubo (2021) Production of petaloid phenotype in the reproductive organs of compound flowerheads by the co-suppression of class-C genes in hexaploid Chrysanthemum morifolium. Planta 253: Article number: 100
PMID: 33847818 DOI: 10.1007/s00425-021-03605-4