花をつける植物の雌しべの先端には、「柱頭乳頭毛」という毛が生えており、受粉の場として重要な役割をもちます。しかし、その毛の環境に対する応答機構は分かっていませんでした。
武田征士准教授(細胞工学研究室)および東北大学・三重大学の共同研究グループは、今回雌しべの柱頭乳頭毛が、周りの湿度に応じて長さが変わることを初めて見出し、この伸長には非生物ストレス(Abiotic stress)に応答するアブシジン酸が関わっていることを示しました。
高湿度下では、花粉が入っている葯の裂開が起こりにくいことが知られています。高湿度下での柱頭乳頭毛の伸長は、受粉のチャンスを上げるために起こっていると考えられます。
研究成果は、日本遺伝学会機関紙「Genes and Genetic Systems」に掲載されます。