この度、本学生命環境科学研究科 教授 岩﨑有作が第24回安藤百福賞「発明発見奨励賞」を受賞しましたので、お知らせいたします。ゼロカロリー甘味料D-アルロースの満腹感誘導、肥満・糖尿病改善作用を発見したことが評価されたものです。
今後、アルロースのヒトに対する満腹感誘導作用、及び過食・肥満・糖尿病の予防/改善作用を明らかにすることで、ゼロカロリー甘味料としてだけなく、カロリーなしで満腹感を誘導する今までに例のない新規機能性食品としての開発が期待されます。加えて、本研究のアルロースの作用経路解明により、消化管ホルモン分泌や内臓感覚神経活性化を誘導することで脳・全身機能を調整する新規摂食抑制剤/機能性食品の開発も期待されます。
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京都在来聚楽ブドウ復活に向けた取り組みが、朝日新聞(京都版)で紹介されました。
板井教授(資源植物学)らのグループの聚楽ブドウ復活に向けた取り組みが紹介されました。
京都市内で100年生に近いブドウ樹が発見され、このブドウは、京都において安土桃山時代から
栽培の記録があり、昭和になって絶滅した‘聚楽’ブドウの子孫の可能があります。
この‘聚楽’を使って,京都ブランドの新品種育成などの取り組みを行っています。
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虫こぶは、虫こぶ形成昆虫が植物に作る、食糧と住まいを兼ねた特殊な組織です。植物が通常作る葉や花、果実とは全く異なる形態になることから、虫こぶ形成昆虫が植物の発生システムをハイジャックして、自分に都合の良い組織を作り上げていると考えられますが、その分子メカニズムはよく分かっていませんでした。
京都府立大学と京都産業大学の共同研究チームは、種類の異なる4つの植物の虫こぶ(カンコノキハフクレフシ、ヒサカキハフクレフシ、ヨモギハエボシフシ、ヌルデミミフシ)で発現する遺伝子を網羅的に比較することで、虫こぶ形成に関わる遺伝子の同定を行いました。その結果、4つの虫こぶでは共通して光合成関連遺伝子の発現が下がり、代わりに器官発生に関わる遺伝子や、細胞分裂・植物ホルモン応答・リグニン化などに関わる遺伝子が高発現することが明らかになりました。虫こぶ形成昆虫は、植物側の遺伝子発現制御を大胆に変更しながら、虫こぶを形成していくことが示唆されました。この研究成果は、PLOS ONEで公開されています。
今回の結果から、異なる植物種の虫こぶで、共通した発生メカニズムがあることが示唆されました。さらに研究を深めることで、虫にならった植物組織の改変技術に繋がる可能性があります。

カンコノキの葉にできる虫こぶ
動物機能学研究室の研究が学術誌「
Biochemical and Biophysical Research Communications」に掲載されました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006291X19317607
薬剤として血中投与したオキシトシンは、
血液脳関門をほとんど通過できないのに、なぜ脳内投与と同様の効果を発揮するのか?
肥満・自閉症・糖尿病改善の作用経路の解明:末梢投与オキシトシンは内臓感覚神経を介して中枢オキシトシン神経細胞を活性化し摂食を抑制する
脳内で摂食行動、社会行動、糖代謝、生殖を制御する神経ペプチドのオキシトシンは、血中投与しても脳へほとんど到達できないことがわかっています。しかし、実際には、皮下注射や点鼻投与でも、過食・肥満・自閉症・糖尿病の改善効果を発揮するため、その作用経路解明が待たれていました。
今回、関西電力医学研究所統合生理学センター長の矢田俊彦、及び京都府立大学生命環境学部教授の岩﨑有作らのチームは、
①末梢(腹腔内)投与オキシトシンが中枢オキシトシン神経を活性化することを発見、
②末梢
—中枢オキシトシン連関には、内臓感覚神経の
1種である求心性迷走神経を介した神経伝達が必須であることを発見、
③本経路の活性化が摂食抑制と連関することを解明
しました。
本研究は、末梢オキシトシン投与を用いた治療の作用機序を明らかとし、さらに、脳内のオキシトシン神経を活性化させる手法として「求心性迷走神経の活性化」が有効であることを示しました。今後、脳機能改善の新規治療法開発や創薬への応用が期待されます。
本研究成果は、米国学術雑誌「
Biochemical and Biophysical Research Communications」に掲載予定、
2019年
9月
16日に
Articles in pressとしてオンラインで掲載されました。
プレスリリース原稿
京都府立大学 分子栄養学研究室の研究が学術誌「Scientific Reports」に掲載されました
~加齢で衰えた筋肉(サルコペニア)における代謝物の変化を網羅的に解明:予防・改善法に手がかり~
令和元年7月18日
京都府立大学大学院生命環境科学研究科分子栄養学研究室は、加齢により衰えた筋肉における生体分子(代謝物)の変化を、世界で初めて網羅的に明らかにし、この内容が学術誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」(電子版)に2019年7月18日付けにて掲載されました。
筋肉は運動やエネルギー代謝において重要な役割を果たしています。筋肉は健康的に生きる上で重要ですが、加齢に伴ってその重量や機能が低下します。そのような、加齢に伴う筋肉量や機能の低下はサルコペニアと呼ばれ、寝たきりや車いす生活の原因となり、高齢者の生活の質の低下をもたらします。そのため超高齢社会を迎えているわが国において、高齢者のサルコペニアの予防・治療は健康寿命延伸の観点から重要な課題の一つです。
本研究では、筋肉中の代謝物が加齢に伴ってどのように変化しているのかを調べました。サルコペニアを引き起こした老齢マウスの筋肉を用いて、数百種類の代謝物を一度に測定することのできるメタボローム解析をしました。その結果、瞬発力があり糖質を主なエネルギー源として利用する「白筋(速筋)」が加齢とともに萎縮し、糖代謝物が減少することがわかりました。また、ポリアミン(タンパク質の合成を活発にする生体分子)が、加齢した筋肉で減少することがわかりました。ポリアミンの減少は筋萎縮の原因の可能性があります。一方で、神経から筋肉へ情報を伝達する神経伝達物質の量が加齢とともに亢進しました。老化による筋・神経損傷による痛みの原因である可能性があります。
本研究で得られた老化した筋肉における代謝物変化のデータは、サルコペニアの予防・治療法の開発に繋がることが期待されます。
プレスリリース Scientific Reports 190718
昆虫学に関する学生の学会発表(ポスター発表2件と口頭発表1件)に対して,賞が授与されました.
・1件目
受賞内容:第66回日本生態学会大会 ポスター賞(優秀賞)(行動/behavior 部門)
受賞者:中林ゆい
所属:生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 応用昆虫学専門種目
学年:博士前期課程1回生(受賞時)
受賞題目:寄生蜂はアリ防衛の穴を見抜けるか?:ムラサキシジミを例に
※ 行動/behavior 部門における選考対象のポスター発表49件のうち,3件が優秀賞として表彰されたもの。
(参考)第66回日本生態学会大会 website
http://www.esj.ne.jp/meeting/66/jp/index.html
受賞者一覧
http://www.esj.ne.jp/meeting/66/jp/common/doc/poster_awards.pdf
・2件目
受賞内容:第63回日本応用動物昆虫学会大会 ポスター賞
受賞者:中林ゆい
所属:生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 応用昆虫学専門種目
学年:博士前期課程1回生(受賞時)
受賞題目:同種他個体との共存はムラサキシジミの若齢期におけるアリ随伴率を上昇させる
※ 選考対象のポスター発表109件のうち,12件がポスター賞として表彰されたもの。
(参考)第63回日本応用動物昆虫学会大会 website
http://63.odokon.org/program/
・3件目
受賞内容:関西昆虫学研究会2018年度大会 若手発表賞
受賞者:天野泰輔
所属:生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 応用昆虫学専門種目
学年:博士前期課程1回生(受賞時)
受賞題目:発現比較による虫こぶ形成因子の探索:ホソガ科3種間での比較
※ 対象口頭発表総数6件のうち1件が若手発表賞として表彰されたもの。
(参考)関西昆虫学研究会 website
https://sites.google.com/site/entsockinki/
天野_賞状
応動昆賞状_2019_中林
生態学会賞状_2019_中林_P1-074
塚本教授(動物衛生学)の研究が、京都新聞記事(ウェブ版)に取り上げられました。
https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20190402000121
サクラ’ソメイヨシノ’のゲノムを解読しました。
かずさDNA研究所、島根大学、板井章浩教授(資源植物学)らで構成するサクラゲノム解析チームは、サクラを代表する人気品種であるソメイヨシノ(染井吉野)のゲノムを解読しました。
開花時期のより正確な把握やサクラの新品種開発に役立つものと思われます。