バラの交配調査に関する論文が、Plant Biotechnology誌で公開されました。
バラは、世界中で育てられている主要な花き作物として広く流通しています。
近年の遺伝子組換えやゲノム編集により、新しい形質をもつ品種が作出されてきていますが、野生への組換え遺伝子の流出等は常に問題となります。
栽培品種から野生種への遺伝子流出がどれくらいあり得るかを調べるために、まずは非組換えの栽培品種と、野生バラを密植して、訪花昆虫や交配の有無を調べました。その結果、密植状態では交配はじゅうぶん起こり得るが、胚のDNA抽出とPCR検査によって交配を確認できることが分かりました。
バラの商業的な側面を拡大しつつも、野生生態系への影響を確認し続ける技術として有用だと考えられます。
タイトル:Gene-flow investigation between garden and wild roses planted in close distance
著者:Yuna Asagoshi, Eri Hitomi, Noriko Nakamura, Seiji Takeda
リンク:Plant Biotechnology, 40 (4), 283-288
(細胞工学研究室 武田准教授)