農学生命科学科

すべての投稿 |2020年3月 

2020.03.30 京都府RDL絶滅寸前種:オヨギカタビロアメンボが休眠卵で越冬することを、カタビロアメンボ科の種として世界で初めて実証しました

環境省レッドデータブックで準絶滅危惧種に選定されており、京都府では舞鶴市のみで生息地が知られている日本固有種、オヨギカタビロアメンボの発生生態を解明した学部生の研究成果が、日本半翅類学会誌Rostria 64巻に公表されました:「Overwintering and egg diapause of the semi-aquatic bug Xiphovelia japonica (Hemiptera: Veliidae) in western Japan.Rostria (64): 1-15【ISSN 0910-6839】」。 カタビロアメンボ科に卵休眠する種のあることを、 世界で初めて実験的に明らかにした論文です。温帯に分布するアメンボ類の大部分は成虫の状態で越冬します。この発見は田植え時期の変化など、稲作体系や溜池環境の変化が個体群存続に強く影響することを示唆しています。 https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/ins0453.html http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=07150220780

2020.03.23 資源植物学研究室の研究が学術誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載されました

ナシ果実のリグニン構造の解析に関する資源植物学研究室の研究が、アメリカ化学会の学術誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載されました Analysis of Fruit Lignin Content, Composition, and Linkage Types in Pear Cultivars and Related Species Lumin Zhang, Hiroshi Kamitakahara, Hideki Murayama, Takanori Ohsako and Akihiro Itai*
  1. Agric. Food Chem.2020, 68, 8, 2493-2505
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jafc.9b07396   ナシ果実は,ざらざらとした食感がありますが、それは石細胞といわれる組織があるためです。これは近縁のリンゴには存在しません。石細胞にはリグニンが豊富に含まれており、食感を左右するともに食物繊維として機能します。 資源植物学研究室の大学院生章 魯閩氏と板井章浩教授らは、ニホンナシ、チュウゴクナシ、セイヨウナシ遺伝資源の果実のリグニン含量、組成、化学構造を解析し、非常に大きな多様性がみられることを明からにし、それと肉質との関連について考察しました。 本研究の成果は、今後食感および機能性を改善したナシ育種への応用が期待されます。